おねえちゃん

姉の話をしようと思う。私は姉と四つ年が離れている。幼稚園や小学生、中学生のころまでは、普通の仲だったが、私が高校生になってから格段に仲良くなったように思う。年を増すごとに、ちょうどいい距離感がお互いに分かるようになったのだとおもう。考え方…

ゆめのはなし

夏目漱石の夢十夜が、朝日新聞で再び連載を始めた。私はハサミで切り抜いて、スクラップにしようか、どうにかして綺麗に壁に貼ろうか迷っているところだ。第一夜が高校の国語の授業で取り上げられた時に、ひたすら虜になってしまい、帰りに急いで本屋で文庫…

午前三時

急に自己嫌悪の波が来て先が来るのが怖くてこれからが嫌で仕方なくて、夜中に小さな音で、好きだったバンドの新譜を聴いている本当は今も好きなのだ 本当はわたしは変わりたくなかったずっと同じのままでよかった 変わっていくものはこわい 後ろの方がずっと…

せつなさのはなし

今日は雨が降っていた。バス停で前にいた中学生の女の子は、白い靴下が汚れていた。雨で跳ねてしまったのだろう。私はもうこの長さの真っ白な靴下を履くことはないだろうなあと思った。もっと履いておけばよかったとは思わなかった。それはきっと過去に思い…

かみさまください、私だけのとびっきりのやつ

ずっと思ってることわたしにとって唯一の人が欲しかった。それは彼氏や彼女じゃなくて、きちんとわたしの芯を形作るもので、もうそれは言ってしまえば神様みたいなものだった。でもわたしは宗教は何も信仰出来ずにいる。私を今まで作ってきたものは多くのフ…

手フェチは静かに暮らしたい

吉良吉影を知っていますか。杜王町で一番優雅で冷静な変態です。誰よりも静かに暮らしたい素敵な変態です。変態。何が変態なのでしょう。彼は女性の手に強烈なフェチを持っています。それはモナリザのふっくらとした手を見て勃起するほど。彼は女性の手と一…

終わりの日記

終電の一本前の電車に乗ることができた。明日は2限からだけど、睡眠は足りなくなるかもしれない。最寄り駅を降りた後、家に向かって歩いて帰ることにした。朝は雨が降っていたから、自転車は乗れなかったし、もう終バスは終わっている。歩くしかなかったのだ…